演劇批評

「二月歌舞伎座 昼の部」 2020.02.18 歌舞伎座

 今月の歌舞伎座は、来月二十七回忌を迎える十三世片岡仁左衛門の三人の子息、五代目片岡我當、二代目片岡秀太郎、当代の片岡仁左衛門がそれぞれに自分の演目を出し、興行全体を銘打っているわけではないが、故人に由縁の深い演目で偲んでいる。

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エッセイ

第七回「一世一代」 2020.02.24

 ジャンルに関係なく、その役や演目を「演じ納める」ことを「一世一代」と言う。一般的にも、相当な労力を必要とする大仕事に取り組む時などに使う場合もあるようだ。  今までにずいぶん多くの「一世一代」の舞台を観てきたが、この表現は歌舞伎などの古典芸能の方が使用頻度は高いようだ。もちろん、どこの誰が使っても構わず、「一世一代」と銘打って演じた舞台が非常に好評で、「一世一代ふたたび」とした例なども少なくはない。2016年に82歳で急逝した平幹二朗は、40年近くの歳月をかけて演じた『王女メディア』を一世一代で演じ、その後「一世一代、ふたたび」として演じた。寿命を保っていたら、「みたび」もあったかもしれない。

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演劇批評

「ヘンリー八世」 2020.02.16 彩の国さいたま芸術劇場

 1998年に、故・蜷川幸雄の演出でシェイクスピアの戯曲全37作品を上演しようと始まったこの企画、2016年に芸術監督でもあった蜷川の死去の後、演出が吉田鋼太郎に変わり、今回が35作目となる『ヘンリー八世』だ。1900年代までは比較的上演されていたようだが、現在のシェイクスピア劇の中では人気の高い作品とは言えない。だからこそ、全作品の上演計画の中でも最後の方まで残されていたのだろう。

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