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「お蘭、登場」2018.07.03 シアタートラム の劇評をアップしました!

演劇批評

「お蘭、登場」2018.07.03 シアタートラム

 作品の批評に入る前に、書いておきたいことがある。公演拠点の一つとしてこの劇場を使う機会が多いシス・カンパニーでは、「シアタートラム」での上演の場合、作品の上演時間は「90分以内」と決めているそうだ。上演時間は、現在の演劇界にとって重要な問題でありながら、検討される機会も話題になる機会もない。批評家を標榜し、各地の劇場を歩いている中で、明らかに「長い」と思う芝居が増えた。時に、休憩を入れて3時間半から4時間というのは、肉体的にも負担が大きい。ジャンルにより基準になる時間の計り方も違う。大劇場公演は、基本的に2回の休憩を挟んで4時間前後というのが一つの目安になっているようだ。中には、幕間の食事時間の都合で、一幕目は一時間前後でというケースもある。一方、小劇場では、幕間なしで一気に上演をすることも多いが、その場合、2時間を超えることも少なくない。私個人の感覚で言えば、舞台に集中できるのは80分から90分だ。時間を忘れさせてくれるほど面白い舞台なら話は別だが、一幕で100分を超え、僅かな休憩時間で女性の化粧室の列が途切れないうちに次の幕の開演ブザーが鳴る、という光景はあちこちで見ている。 続きを読む

エッセイ

057.『ウーマン・イン・ブラック』作:スーザン・ヒル 2018.06.04

 「ゴシック・ホラー」と呼ばれる文学などの体系があり、好む読者も多い。神秘的・幻想的な題材を含む小説が1700年代後半からイギリスで流行し、「ゴシック小説」として広がりを見せ、その一部の恐怖・怪談小説などが「ゴシック・ホラー」として広がったものだ、と考えるのが一般的だろう。今、ホラー小説と呼ばれている作品群の源流である。 続きを読む