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私が選んだ100本 055.『あ・うん』作:向田邦子 2018.05.21をアップしました!

演劇批評

「煙が目にしみる」2018.05.10 本多劇場

 今の我々は、必ず訪れる「死」を必死で見ないように、あるいは触れないようにと、全力を以て遠ざけている。いつの間にか人生は100年の時代になり、「健康のためなら死ねる」というジョークがその意味をなさなくなってしまった。健康で長生きをしなければ損をしたかのような風潮で、きちんと死に対面もしようとしなければ、日常的に死を想うこともない。哲学者「メメント・モリ」(死を想え)という深遠な言葉など糞くらえ、と言わんばかりだ。 続きを読む

エッセイ

私が選んだ100本 055.『あ・うん』作:向田邦子 2018.05.21

 1981(昭和56)年8月22日、台湾での飛行機墜落事故により51歳でその生涯を閉じた、というニュースは衝撃的だった。その前年には、本業の脚本以外に短編小説の連作シリーズで第83回直木賞を受賞し、ここで紹介する『あ・うん』をはじめ『阿修羅のごとく』など、破竹の勢いとも言える快進撃のさなかに、ふっと眼の前から消えてしまった。潔すぎるほどに。 続きを読む