コロナ禍の中、東京都では「緊急事態宣言」が延長され、「飲食を伴う店の営業は20時まで」の状況が続いている。飲食の提供はしなくとも、不特定多数の人が集まる劇場も20時までには公演を終えるとの申し合わせが行われ、各劇場が夜の部の公演を昼にシフトし、夜の公演を行う場合は、開演時間を早めて20時前には終演となるようにした。中には、上演時間の関係で夜公演を中止しているところもある。

 そんな中、今年で21年目を迎える『Endless SHOCK』が、「永遠に~」などの意味を持つ「Eternal」の言葉を加え、今までに上演されてきた本編の3年後の世界を描いた作品として上演されている。昨年の20周年記念の公演は、途中でコロナ禍拡大のために公演中止となり、カンパニーを率いる堂本光一をはじめ、多くのファン、スタッフなどの心中は複雑なものであったに違いない。

 この作品を貫いているテーマは、初演以来一貫して「Show must go on」だ。いかなる事態が起きようとも、舞台の幕は開けなくてはならない、舞台に関わるものの使命とも言えるものだ。それが「緊急事態宣言」や「自粛」の中で、舞台の上だけではなく、観客や制作サイド、多くの関係者に非常にシビアな問題として襲い掛かってきた。場合によっては人命に関わり兼ねない状況の中で、舞台の幕を開けることにどれほどのプレッシャーを感じ、大きな責任を課せられるかは、この一年余りの間に多くの演劇人やファンたちが身をもって体験したことだ。

 しかし、20年以上カンパニーを率いる堂本は、何とかして観客に舞台からの想いを届けたい、との一念で様々な工夫を凝らし、観客や共演者、スタッフの安全を第一に考えた上で、新しい『SHOCK』を産み出した。今までにカスタイマイズ、ないしはバージョン・アップしながら繰り返し上演してきた『SHOCK』から3年後の世界を舞台に、新たな「世界観」を構築したとも言えよう。堂本が演じる「コウイチ」はいなくなり、新たにカンパニーを率いている上田竜也が演じる「タツヤ」、前田美波里の劇場のオーナーなどを軸に据え、新たな世界が広がろうとしている。

 今回の上演は先に述べたような多くの制約の中で、今までよりもカンパニーの人数を減らし、上演時間も短縮して休憩なしの一幕2時間とした。その一方で、過去の舞台の映像をふんだんに使用し、根幹を流れるテーマは本編から逸脱しないように、よりスピーディな感覚を加えての舞台となった。多くの観客が楽しみにしている舞台の上を飛ぶ「フライング」や、派手な立ち廻りの「階段落ち」は、コロナ感染拡大防止の観点からもカットせざるを得なかったのは残念だが、クオリティの高い、迫力のある映像がそれを補っている。今までの舞台が凝縮されて、過去の作品の土台に乗りつつ、新たな方向へエネルギーを噴出した形だ。

 「コロナ禍」がいつ収束し、演劇が以前のように戻ることができるのかどうかは誰にも分からない。しかし、その中で「希望の持てる未来」に向かって多くのアイディアを取り入れ、この作品のテーマを貫き通そうとしている堂本光一。以前とは違った部分で、「逞しさ」を感じる舞台となった。「作・構成・演出・出演」の文字の重さをしっかり受け止めている感覚が彼の決意表明のようにも見えた。